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その頃、ことのしだいを知ったアフロディーテが、年若い愛人相手に怒りを爆発させていた。

「キューピッドがプシュケーを嫁にして、愛宕山に住まわせてたてか?」

アフロディーテが、目を三角にしてわめく。

「いわゆる、新婚さんどすな」

比叡山延暦寺からスカウトしてきたお稚児が、しゃらっと言ってのける。

「息子やのに、あてのこと裏切りよったんやろか?」

「惚れてしまわはっただけちゃいます?」

「…」

アフロディーテは、絶句した。

「どっちにしたかて、プシュケーはこらしめたらな気ぃすまへん。
「プシュケーを捕まえて連れて来たもんにんは、あてがキスしたげます!て、おふれ出してんか」

更新日:2013-04-20 12:20:08

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京都生まれのキューピッドとプシュケー