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小説

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四条柳馬場(しじょうやなぎのばんば)の両替商、銭屋の三人娘は、京都で評判の美人姉妹であった。

なかでも、末娘のプシュケーの美貌は、口うるさい京都人のあいだでも絶賛されていた。

「プシュケ―はん、あれぞホンマもんの京美人やな」

「なんちゅうても、あの鈴をはったような目ぇがよろし」

しかし、建前上、京都いちの美人はアフロディーテということになっている。

最近、京都人のあいだで自分の美貌がもてはやされないことに気付いたアフロディーテは、お高祖頭巾をかぶって四条烏丸へと街頭調査に赴いた。

「ちょっと、おたずね申しますけど、京都で一番のべっぴんて誰や思わはります?」

「そら、なんちゅうたかて、いち押しは銭屋はんのプシュケ―はんやろな」

アフロディーテは、頭巾の下でムカつきながら思わず確認した。

「京都いちのべっぴんは、アフロディーテはん、ちゃいますの?」

「あかんあかん!アフロディーテはんは、もう歳や。そら今、京都で一番のべっぴん言うたらプシュケ―はんやで」

アフロディーテは、街ゆく人、百人にアンケートを試みたが、九十三人が京美人の代表としてプシュケ―の名をあげた。

更新日:2013-04-20 12:11:24

京都生まれのキューピッドとプシュケー