• 45 / 61 ページ

いきなりのことで




side朔




駅までの暗く、静かな道を俺は麻央と二人で歩いていた。



さっきひなに告られて頭の中は未だ、混乱してる。

馬鹿な俺には、ありがとうなんてそっけない返事しかできなかった。





いや、気を持たせたとこで傷つけるだけだ。



ずっとあいつと一緒にいて、傷つけるとか俺どんだけ最低だ。






「なぁ、朔。」

「ん?」




ずっと黙っていた麻央が口を開いた。





「最初はお前ライバル心むき出しだったよな。」

「は?」

「俺紺野が好きだから、みたいな?」




さらりと重要なことを口にする麻央。




「ちょっ!お前な!」

「朔くん顔真っ赤ですよ?笑」

「…ほんと黙れ。」

「こわー。ま、なんやかんや言って朔と仲良くなれてよかった。
 ありがとな。」

「……は、お前さっきから何言ってんの。」




麻央の顔が切なげに歪んだ。


なぜか今見えてるすべての景色が歪んで見える。







なんだよ、別れのあいさつみたいな。

更新日:2013-05-21 23:36:41

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

となりのクラスのアップルティーくん