• 13 / 89 ページ

第13話

「サトシ・・・頼みがあるんだ」
「え?」
デントが、話しかけて来た
「何? デント」
「僕を、君の旅に同行させては貰えないかな?」
「え!?」
「「え!?」」
「ピ!?」
「ウォ!?」
「「デント!?」」
「・・・冗談抜かすな」
「そうだよ・・・君みたいな子を、サトシの側に置くなんて、僕は、反対だな」
「俺も、お前は信用できない・・・」
「・・・分かっているよ!! そんな事・・・」
「デント?」
「・・・分かってるよ・・・今までの僕を考えれば、そう言われたって仕方がない事位分かってる・・・けど、けど僕は、間違ったまま居たくないんだ・・・君と居れば、間違わずに済む気がするんだ・・・僕は、今まで、ヤナップの事も、これまでのポケモンの事も、全然見ずに・・・傷つけるだけ傷つけて、無関心で、ジョーイさんやジュンサーさん、ポケモン博士の事だって、全然普通の事だって思ってた・・・けど、君と出会うまで、それが全部最低だなんて・・・思わずに居たことに・・・恐くなったんだ、僕も、もしかすれば、こうなっていたのかもって思ったら・・・」
「・・・デント・・・」
「お願いだ、もう一度、ヤナップと向き合いたいんだ! ヤナップをちゃんと見て、今までの事全部謝りたいんだ、まだ、まだ間に合うなら・・・僕は、ヤナップと一緒に居たい・・・
僕がトレーナーに・・・ジムリーダーになった理由・・・それは、ポケモンが好きだからだ・・・ポケモンソムリエの道だって同じ・・・ポケモンが好きだからなったんだ・・・なのに・・・それなのに、今までそんな事忘れていた・・・僕はとっても愚かだって・・・
君に教えられた・・・君の行く道を僕も共に歩ませてもらえないかな? もう、間違わない為に・・・」
「・・・ダメだ」
「!」
「サトシ!?」
「「・・・」」
「俺と行くって事は、お前も、追われる身になるって事だ」
「え?」
「「「「え?」」」」
「俺は、追われているんだ・・・ポケモンブレーンで、ポケモン国際連盟の一人だから・・・だから、そんな俺と一緒に居れば、お前だって立場は危うくなる・・・そんな立場に、ジムリーダーであるお前を連れて歩く訳にはいかない・・・寧ろ、アイリスやケンジといる事だって、気が引けているってのに・・・」
「・・・僕の為に、言ってくれているの? それ・・・」
「あたしは、絶対離れないからね!? 離そうとしないでよ!」
「僕だって、好きでサトシと居るんだよ!? 君が、気に病む事ないんだから」
「でもだな・・・」
「・・・」
本当に、サトシっていい奴なんだな・・・
ポケモンだけじゃなくて、他人であるはずの僕にも、気を使ってくれるなんて・・・
しかも、初っ端から嫌な思いさせているってのに・・・そんな事、関係なく気を使ってくれるんだ・・・

こんな子・・・今まで見た事がない・・・
今までのチャレンジャーだって、ジムリーダーにだっていない、この地方には、こういう子・・・いなかった・・・

更新日:2013-03-09 15:46:37

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook