• 30 / 47 ページ

第三回:天を貫け殺人ライナー!

シロー達による超人サーカスの様な部活紹介が終わった日の放課後。

早速成果が出ています。


「よ、良かったよ〜………」
「野球部潰れる所でした~…」


あたしと進次郎君は嬉し泣きをしている。


新しい仲間。
しかも、天才プレーヤー!

最高!


「よし!これで9人だな!試合出れるぞ!」
「あァ?何寝言言ってんだテメェ…。寝言はいつ言うか知らねえのかァ?」

刀矢君は何か勘違いしているみたい。
野球部三人組+パンダヒーロー(あたしを除く)+新入部員一名で9人とか思ってるみたいね。


「と、刀矢君……バニーさんは試合に出ないし…」
「そうよ。あたしはサイン、コーチャーとかよん?」

「だーっ、そうか!ならあと一人か!」
「だからぁ……」

「刀矢。パンダヒーローが試合に出るのは次の試合だけだ…」
「………」

あ、固まっとる。

おーい。

刀矢君の目の前で手を降ってみる。

「うわぁぉぁぁぁぁだぁ!!」
「!?」

うわっ、びっくりした!

そんな叫び方も初めて聞いた!

やっと理解したみたい。



「なんだこいつら………」

「………」

一つ言わせてもらうとね?
この新入部員、先輩を敬う的な気持ちがまるで見えない。

敬語ゼロ!
わお!

逆に凄いと思う!



「ま、とにかく……赤城君、ほんとに本入部?」
「そうだ、何度も言わせんな」
「うぐぅ……」

ぐぬぬぬぬ……。

シローが二人いるみたいでなんか腹立つ……。


このチャラ男!
DQN!
あほ!


あたしは引きつった顔を隠せなかったが、頑張って威厳的な物を見せようと心掛けた。

「そ、そう…なら入部届けをね…?」
「………入部届け?」
「え?」
「届けなんかいるのか?」

「えっ、当たり前じゃない!」
「……嘘つくな。前の学校じゃ出さなかった」
「え、えーと…」

「お前、野球推薦で入ったろ」

シローが会話に割って入ってきた。


「?そうだ」
「こっちには試験だろ?残念だが推薦じゃないなつは部活に入るのに届けが必要なんだよ。分かったら職員室でもらって来い!」
「む……そうなのか」


ガラララ……。



ピシャン!


「……凄いの来たな!夏原!」
「刀矢君……。なんかどっかの誰かさんみたいだと思わない?」

「………確かに」

「ケケケケ…!あいつ世間知らずのお坊っちゃまか何かか?ケケケケ!」

うわ!何その悪魔みたいな笑い方!

世間知ってても常識を知らないあんたが言うな!
と、精一杯叫んでみた。

もちろん心の中でね。





ガラララ…。


お?
戻ってきた?


「あの~…野球部ってここですよね?」
「そうだけど…」
「…僕でも入れますか……?」



「ふ、ふ、ふ…」

「?」

「「「「二人目だぁぁあぁぁ!!!」」」」




素直に凄いと思った。
シローのあの部活紹介で、その日にもう二人も入部希望者が!

性格がまるで正反対なんだけどね……。

更新日:2013-02-27 23:33:29

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook