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第5話「泣き虫」

『うーん・・・
 暇だ』

蝉の声が
いつもにましてうるさく聞こえる。

そんな夏休みが
やってきました。

予定もなしにごろごろしてるあたしは
受験生になんか見えないだろうな。

〔~♪〕

むさ苦しい部屋に
着信音が響いた。

『結衣メールやん』

同じく暇してんのかなーって
親近感をもちながら、ケータイを開いた。

<From.結衣

 今週の土曜
 夏祭りあるからさ。

 一緒に行かない?>

そんな文面を見たら
目が輝かないわけがない。

《行く!!
 死んでもいく!!》

そう素早く返信してから
ふとつかかったことがる。

《でも結衣
 相沢と行かなくていいの?》

夏祭りなんて
世の中の彼カノのためにあるようなもんなのに。

<いいよ。
 相沢とはいつでも行ける。

 今年は友達優先しなきゃでしょ

 From.結衣>

絵文字もあまり使わないタイプだし
落ち着いた文面ばっかだけど

今だけは、ものすごく
暖かさを感じる。

《結衣かっこいー!!
 全力でお供します(キリッ》

結衣のメールを保護して
返事を送信。

<はいはい>

ふざけたテンションのメールを送ったあたしの目には

たくさんの涙が
たまっていた。

『・・・っ・・・あれ・・・』

画面に落ちた一粒を慌ててふき取ると

なぜか

『あたし・・・
 泣き虫だなー・・・』

呟くあたしの目は、乾く気配を見せなかった。

更新日:2013-01-11 17:37:36