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第4話「意気地なし」~Side裕也~

「おまえらって
 本当見せつけるよな」

俺の友達と
木下の友達の関係は

特別。

それはとてつもなく
複雑な気分で。

「なんだよ
 そんな羨ましいか」
「黙れ」

なぜか
彼氏と彼女を見てると、苦しくなる。

いや
正直、理由はもう気付いてる。

だけど
認めたくない。

この感情の正体は
きっと、もっと

辛い思いをさせるもの。

「・・・お前も
 彼女作れば?」
「はあ?無理だろ」
「裕也には
 愛しの木下が「マジで殺すよ?」」

なんて
照れ隠しなのが本音だけど。

あいつが彼女になったらなーって
何回も考えたことはある。

「けど裕也、実際
 リアルに木下のこと好きっしょ?」
「・・・さーね」

違うって。
恋じゃない。

「・・・後悔しても
 しらねーよ」

そう言い放つと透は
黒板消しを手にとって、クリーナーにかけた。

「・・・バカかお前」
「何が?」
「後悔なんか
 とっくにしまくりだよ」

小学生のとき、告白すればよかった。
中学でクラス離れても、口実つけて
たまに話せばよかった。

今年同じになったとき、自然に話せばよかった。

「・・・なのに
 告らないんだ?」
「後悔するから告るって定義は
 俺にはないんだっての」

今もまた一つ、後悔してる。

さっき木下が教室出るとき
一言“じゃーな”って言えばよかった。

「それに」

それに
そもそもそんな勇気、俺にはない。

「もしも木下がいなくなってから後悔して
 あの時、告ればよかったって思っても
 きっと
 俺が告ることはないんだよ」
「・・・どういう意味だよ?」
「つまり
 後悔したって
 じゃあ今から過去に戻ったら告白するかっつったら
 そうじゃないってこと」

確かに
フラれたとしても、すぐにあいつは
いなくなる。

だけど
それで終わらせる自信もない。

「・・・まーいいや。
 頑張れよ、せいぜい」
「だから
 そこまで恋してないって」

してる、けどな。

しゃーねーじゃん。
俺はとんでもなく、意気地なしなんだから。

更新日:2013-01-10 16:08:10