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第七話 交わる物語──BLEACH×NANOHA



「何なのよ、あれ……?」
少し離れた森の中から、ティアナ達フォワード陣は事態の推移を見守っていた。
相対する三人を呆然と見上げ、ティアナは恐怖と疑問が入り混じった言葉を漏らす。
「アレ、なのはさん、だよね?」
スバルは、いつもの溌剌とした口調ではなく、何処か影のある声音で呟いた。
「フェイトさん……」
エリオとキャロは不安げに『家族』であるフェイトを見上げている。
三人の姿に、誰もが恐怖を覚えていた。普段訓練や日常で触れ合っているだけに、そのギャップを否応なしに理解させられる。
あそこで凄まじい殺気を放つふたりは、もはや『高町なのは』『フェイト・T・ハラオウン』じゃない。
うまく思考を組み立てられない。が、いつまでもここに燻っているわけにもいかなかった。
「……みんな! とりあえず、ヴァイス陸曹を見つけるわよ!」
フォワードのリーダーは自分だ。その自分がいつまでも忘我の念に囚われていては事態は何も好転しない。とにかく何か、意味のある行動を起こさなければならない。
「で、でもティア、なのはさん達は……」
「今は放っておいて」
ピシャリと言い切ると、

更新日:2012-11-04 13:04:42

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