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初めての島での想い出。






「島が見えたぞぉ~っ!!」





甲板から声が聞こえ、クルーたちは
慌しく動き回っていました。





甲板に出るとそれぞれが、島での行動を
確認しあっています。





今日の船番は12番隊。
ハルタが隊長を務める隊です。





「4番隊はいつもどおり、厨房に張ってる
 メモを持って足りない物は買い足し、
 それから、書いてある食材と、この島の
 名物チェックだな」





4番隊はメモを確認しながら、買出し人数と
担当を割り振っています。





4番隊に所属しているのは、大体がコック兼
戦闘員であり、どの島ででも役割は
食材の補充とお酒の注文とそう変わりません。





そして1~3、5~16番隊で船番や偵察、
雑務などローテーションで行っていました。





そして1番隊の隊長は、この全隊の
総隊長のような役割です。
自然とマルコの仕事は多くなります。





報告書の管理や唯一空を飛べるとあって
次の島の視察など重要な役割が多いのでした。





マルコはある程度の指示を終えて
甲板で町の様子をそわそわ見ていたまぁかに
声をかけました。





「まぁか。待たせたねい。
 俺たちも買出し行くよい」





まぁかは声の聞こえた方へ身体ごと振り返り
嬉しそうにぴょんぴょこ跳ねて、マルコの
足に抱きつきます。





「まりゅぅっ。おできゃけできゆ?」

※(まりゅぅっ。お出かけできる?)





「ああ。昼食はどこかで取るからすぐ出るよい」





まぁかを抱き上げマルコは船から飛び降りました。





・・・飛び降りた・・・・?





ぴゅぅ~~~~~~・・・・。





「みゃああぁぁぁぁぁぁっ!!?」





スタっと危なげもなく、地面へと
到達したのですが、まぁかはあまりの
突然の浮遊感に、マルコの首に顔を埋めて
震えいます。





「あ~・・。すまねぇよい。
 いつもの癖でやっちまったい・・・。」





すまなそうに片手で首の後ろをさすりながら
うな垂れます。





まぁかはそろりと顔を上げて、地面に降りたことを
確認してほっと息をついたのでした。





まぁかが落ち着いたことを確認した後、
だっこしたまま町への道へと足を向けて
歩き出します。





「おきゃいもにょ?」

※(お買い物?)





「ああ。まずは服だねい。ここは春島だが、
 これからいろんな島に行くんだから
 夏服も冬服も買うよい。」





その言葉にまぁかは一瞬目をまんまるに見開いて、
眉を八の字に垂らしました。





この世界の通貨はベリーだったでしょうか。





まぁかはこの世界のお金を持っていません。





「オヤジから金は預かってんだい。
 後でお礼言っとけよい。
 使い切るまで帰ってくるなとか・・・。
 無茶苦茶だよい・・・。」





白ひげは島に到着して、マルコが指示を終えて
報告へ行った時に、まぁかの身の周りの物を
揃える為のお金を、マルコに渡していたのですが
その金額が異常なものでした。





子供の身の周りの物を揃えたとしても
どれだけ余るんだと思う金額を預けたのです。





そして使い切るまで船には戻ってくるなと
笑って言ったのでした。





「まりゅ・・・。でも・・いいにょ?」





「子供が遠慮するんじゃねぇよい。
 オヤジはまぁかが可愛くて仕方ないんだい。
 気にせず好きな物買って帰ったら
 ありがとうって言えば喜ぶよい」





まぁかは眉を下げながらも頷きました。




たしかに服は必要です。





今の格好はマルコのシャツを着ていて
ロングスカートのようになっていました。





腕はたくし上げて、折り込んでなんとか手が
出たような格好です。





町の入り口が見えてきました。





どきどきしながら首にきゅっと抱きつく
まぁかの緊張がマルコに伝わります。





マルコはニヤっと口の端を吊り上げて
足を速めました。





「どんな服にするかねい。」





マルコも意外と楽しみのようです・・・。





目に付いた店には、子供のマネキンに
可愛いデザインの服が着せてあります。





大体の季節の服と靴。
そして帽子などはここで揃いそうです。





そう思い、その店に足を踏み入れたのでした。





更新日:2012-07-08 12:02:15

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