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駆け抜けろ、新たな始まり!

「ふぁー」

藤堂 遊速は目を覚まし、時計を見る。
今の時刻は7時を示しており、いつも彼が起きる時間だった。

「よし、さてと」

遊速はパジャマを脱ぎ、さっさと学校の制服に着替える。

『LMT』事件が起き、UNKNOWNを桐谷と倒してからすでに3日。
暁 遊一たちが住む世界と藤堂 遊速が住む世界と世界が融合を果たしていたが、そのことに誰も違和感を持つ者はいなかった。
遊一が言うには、『全ての始まり』の龍が2つの世界の記憶を混合させたらしく、誰も世界が融合したことに違和感を持つ者はいなかった。
学校のクラスに来た時、和葉たちは遊速が無事に学校に来たことにほっとしていた。

「さてと朝飯朝飯」

遊速は自分の部屋から出て、朝食が待っているであろう居間へと向かう。


ちょうどそのころ。
暁家にて、すやすやと眠りにつく者がいた。

「……よく寝ているな」

桐谷はベッドの上から布団で眠っている美斗を見つめ、少し呆れたような表情を浮かべていた。
本来なら女の子である美斗にベッドを譲るべきだと思い、事実桐谷は美斗にベッドを譲る気でいたが、美斗は「私はあくまで居候なんだから、布団を与えてもらえるだけでも十分だよ」と言い、断っていた。

「といっても……あと数十分してからでも十分間に合うしな……俺も2度寝しようかな」

桐谷がそう言いながらベッドに横に寝転がり、眠りに意識を預けようとしたとき。

更新日:2012-06-26 00:05:56

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