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第三章、待遇5

避雷針から..ファーストラブ オリジナル
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1498311.html



聡は、「なんだよ~、何言いてーんだ!」

聡も笑いながらそう呟いた。

真が何気なく、口ずさむ。


作詞 風間聡 渋谷テリトリー
 
何時も喧嘩ばかりな俺達二人..

街の誰もが見て見ぬふり..、たわいも無いけんか内容

『昨日磨いたからイイんだよ!朝飯も食ってないし...』

『普通、磨くでしょー#!今日KISSしないから.. 』

そんな会話で渋谷を歩く..賑わう町並み合い変わらずの渋谷駅

誰も聞いてない、ワゴン車の上の演説。街を歩くと至る所にビラ配り..。

彼女を連れて歩くと、無視出来ないシチュエーション

空いている時が有るのか?いつも満席牛丼屋。

嫌でも歩くと時間が掛かる、この街は金を使わず、 時間が潰れる都合のいい街。



結局ここにたどり着く。何時もの坂の下、角のたこ焼き屋。

一つ買って、二人で食べる、ジュースも一つ..。

金が無いがそれが意外と幸せ、腹が少し膨れると俺達も仲直り..。

周りを見渡す、俺達と、そう変わらない奴らばかり..。

この街は俺のテリトリー、

『ねぇ~あの女の前髪うざくな~い』

『おめーも、そうだろが #!』

右手にたこ焼き、左手にジュース

彼女の手から飲ませてもらう、ピンクルージュ付きの缶ジュース。

結構幸せ、この街は何時も変わらぬシティースタイル、俺達も同じ
 


聡、「止めろよ」。

真、「結構笑えるよな...」。

聡、苦笑いをしながら「バカヤロー!」


そう答えると、また真が笑う。

真、「最初おまえに書かした時、大ひんしゅくだったな..」

聡、「俺は詩のセンスはねーんだ!」

真、「浩二が大笑いで..『ヒップホップでもやれや!』とか言われてさー」

聡、「曲のセンスは..小百合だ!詩のセンスは浩二。

ブッキラボーの癖に書かせると、有名なアーチストに書かせたみたいで感動する」。

そう言うと、真は俯いた。

「そんな事って、有るのかな...」。


聡は、真の横顔を見つめていた。

日も暮れてしまった公園には、この二人だけの空間になっていた。


聡が暮れた空を見上げて、「このまま何も起こらなかったら、どうなっていたんだろう」。

真が下を向きながら、「解散..いや.破局だな」。

聡が、夜空を見上げながら、「寂しいよな」

真が下を向きながら、唇をかみ締め、目に涙が溢れていた。

聡もこらえきれず、鼻をすする。

真も涙ながら、「最終的には、同じさ、どんな有名なバンドでも..、

綺麗事でこう言うんだ.....走り過ぎた...」。
 
聡、「一瞬だったな、何もかもが..」。
 
真、「俺達...、その一瞬を目標に来たんだ。でもその一瞬の代償が....」。

真はその時、言葉詰まってすすり泣いた。
 
そして聡が、呟いた。

「俺もな....」。
 
 三月始めの夜はまだ肌寒く、よりこの二人を厳しい心持にさせたのであった。

更新日:2012-04-26 16:58:12

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