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君は・・・雪の精

挿絵 544*407

そう・・・あれは、私が仕事で疲れて何も考えたくないそんなときだった。。。

新幹線に乗り、宛てのない旅・・・とでも言おうか
長野の駅で、考えもなく降りた私は、ホームで少しだけぼんやりと周りを眺めていた。。。
偶然に目の前に停った列車に吸い込まれるように乗り込むと・・空いてる席に座った。。

窓から流れるように目に入るその景色は、こころを休めたい私の想いを全て察しているかのように緩やかな長閑さだけの空間を瞳に届けた。。。

陽射しも弱く、少しだけ風が混じってるのか木々が左右に揺らめく。。

私は、ただぼんやりと外を眺めていた。。

ちいさな街をいくつか通り過ぎ・・それまでの景色と幾分違った様子に私は、身体を少しだけ前にのり出しその雰囲気に興味を張り巡らせた。。

真っ白な世界とでも言おうか

一面雪景色に、一瞬にして染め上げられていくというその情景がこころを捉えて放さない・・そんな言葉がぴったりの今の目の前の白さが私のこころを惹き付けた。。

「 美しい・・・! 」
私は、次の瞬間真っ白の中に輝くように・・・ひっそりと佇む天使を見たような気がして、その方向に目を向けた。。
だが、走ってる列車は気持ちを無視するかのように走り遠ざかる。。

私は、思い切って次の駅で降りることにした。。




更新日:2012-03-04 08:46:13

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