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黄昏の騎士団

それから1カ月。
このゲームの中では現実世界と時間軸が直結しているらしく、一日は24時間制だ。
また、ゲームの癖に腹が減るし、眠くなる。
街には食料を売ったり、ベッドを持った宿舎があるが、野原で兎を捕まえて食べ、野宿する事も可能だ。
ちなみに、1億人いたプレイヤーは其々がクランを組み誰が『公式のチート』かを探していた。
勿論、公式のチートを名乗る偽物が何人も名乗り出ては、消えて言った。
僕はマルベルと組んで、僕が『公式のチート』と言うのを隠し、ダミーとして腰にサーベルを下げて居たりする。
ゲーム内通貨はGで表示され、敵を倒し、そこから取れるアイテムを売ったり、運営が用意したクエストをクリアーしていくと貰える。
なので、僕達はマルベルのレベル上げを兼ねて金稼ぎをしていた。

「うーん。
私よりもレベルが引くのに、既にレベル100並みの攻撃力を持つ君にはかなわないね~」
「まぁ‥‥
銃だからね」

モーゼル・シュネルフォイヤーに20発マガジンとストックを付けた物にクリップで次弾を装填しつつ答える。
モーゼルは既にLv.9に達し、あともう少しでLv.10だ。
弾丸の威力は900とM1858に追い付いた。
ちなみに、Lv.10に成ると武器自体が別の物に進化する分岐強化したり、更に極める専属強化を選べるらしい。
ちなみに、僕自身のレベルは10で、マルベルさんは既に30だ。
また、M1858はストックの追加以外のパーツは増えなかったが、弾の威力が半端なく、Lv.10で専属強化か分岐強化の項目で専属を選び、現在1発の威力が一発1500である。
手榴弾もLv.5の攻撃力が5000である。

「じゃ、そろそろ、ボスだよ」

マルベルが指さす先には大きな扉。
この先に推奨レベル30の初級者用ステージ、ラスボス『ギルガメント』が居るらしい。

「よし、行くわよ!」
「うん」

マルベルと共に扉を押し開くと、神聖な教会の様な、張りつめた空気が漏れ出た。
時刻はまだ13時だが、中は非常に薄暗い。

「待って、中で誰か戦ってるわ」

耳を澄ませると、ギンギギンと剣劇の音。

「‥‥‥」

ハンドシグナルで『静かに』『後方に続け』と送り、M1858に持ち帰る。
ホルスターに入れた状態で、早撃ち体勢で進む。
ちなみに、速射がLv.10になり、ランクアップし『早撃ち』に進化した。
また、装填もランクアップで『スピードローダー』になり、腰撃ちが『照準安定』、狙撃が『マークスマン』になり、精密射撃時のぶれが立っている状態90%、座れば95%、伏せれば100%カットできるようになった。
その為、ストック付けて狙撃した時の命中率は非常に高い。
また、このゲーム、遠距離攻撃をほとんど持たない(魔術は有るが、発動に時間がかかり、弓矢だと、技術習得が非常に大変)ので、少し離れればこっちの物だ。

更新日:2011-12-21 01:03:58

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