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#2 「街外れ」

世間話をしながら、街外れに向かっていった僕たち一行は途中、眼も留めたく
なるような光景を眼にした。

「あれは・・・。」

そう、僕たちが見たのは、人間が自動車でネコを轢いていた光景だった。

「可哀そうに・・・ありゃ、助からんな。」

ホーリーは、軽く拝んだ、

「なぁ、人間って酷いよな。自分のペットになると、ネコをあんだけ溺愛するのに、
他人のネコだったり、俺たちみたいな野良だったら、殺しても何の気持ちも
持たないんだぜ。あんなふうに轢き殺しても・・・」

確かに、彼の言う事は正しいことだ。

しかし・・・


「人間にもいい人が居ます。僕の飼い主や、シェリー・ホーリーの飼い主みたいに。
僕たち全てのことを、可愛がってくれる心優しい人間だって、世に中には
大勢居るんですよ。」

僕は、即答した。

「ふ、そんなの66億いる人間の1割にも満たないじゃないか。一部の人間がどんだけ
頑張っても、あまり大差は無いだろ。」

僕は、少し黙想した。

「その1割でも、僕らの味方をしてくれている人間に対して、反抗なんてできないよ。」

僕は、正直な考えを述べた。

「まぁ、そうやって思っているうちはいいぜ。ま、いずれ俺たちのような野良になったときに、本当の答えを見つけるだろう。」

重苦しい空気になり、僕たちはしばらく、黙り込んでしまった。


そんな中、

「ねぇ、ジェームズ君。彼にあまり当たり散らさないほうがいいわよ。」

シェリーは、僕に軽く叱責を与えてきた。

「うん、ごめん。人間のことになると、つい熱くなっちゃうんだよ。」

「本当に人間様を愛してるんだな。」

ホーリーが、頷きながら答えた。

「そう、僕らは人間が飼ってくれるおかげで生きていられる、飼い猫なのさ。」

僕たちは、猫関連の歌を歌った。

更新日:2008-11-29 03:12:46

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