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小説

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たった3メートルの廊下

「ユウさん、リビングで読まれませんか」
スッと京介がスリッパを差し出してくれた。それに目を落として
から僕は慌ててしまった。
「あれ、僕、どのぐらい立ち読みしてた?」
「30分ほどですね。そろそろ裸足では足が冷たくなって
きているのでは?」
「棒みたいだ。歩くとギクシャクする」
僕は笑って、読みかけの本を本棚に戻した。僕と京介の家には
書庫がない代わりに(京介が絶対に「いやだ」と言い張った。
理由は僕が出てこなくなるから・・・らしい。当たっているけど)
その代わりに、家の至る所が本棚だ。階段の段差を利用したり、
廊下が一面、壁ではなく本棚だったり、と。
僕は、よく家のあちこちで立ち読みをしてしまい、そのまま
突っ立ったり、座っていることが、京介に言わせると多いそうで。
「ゆっくり歩きましょう。お手を拝借してもよろしいですか」
「なんで?平気だよ」
「ユウさんと腕を組んで歩くのが夢でしたので」

たった3mの廊下でなに言っているんだか、だろ。

更新日:2009-01-10 22:06:36