- 11 / 1371 ページ
たった3メートルの廊下
「ユウさん、リビングで読まれませんか」
スッと京介がスリッパを差し出してくれた。それに目を落として
から僕は慌ててしまった。
「あれ、僕、どのぐらい立ち読みしてた?」
「30分ほどですね。そろそろ裸足では足が冷たくなって
きているのでは?」
「棒みたいだ。歩くとギクシャクする」
僕は笑って、読みかけの本を本棚に戻した。僕と京介の家には
書庫がない代わりに(京介が絶対に「いやだ」と言い張った。
理由は僕が出てこなくなるから・・・らしい。当たっているけど)
その代わりに、家の至る所が本棚だ。階段の段差を利用したり、
廊下が一面、壁ではなく本棚だったり、と。
僕は、よく家のあちこちで立ち読みをしてしまい、そのまま
突っ立ったり、座っていることが、京介に言わせると多いそうで。
「ゆっくり歩きましょう。お手を拝借してもよろしいですか」
「なんで?平気だよ」
「ユウさんと腕を組んで歩くのが夢でしたので」
たった3mの廊下でなに言っているんだか、だろ。
スッと京介がスリッパを差し出してくれた。それに目を落として
から僕は慌ててしまった。
「あれ、僕、どのぐらい立ち読みしてた?」
「30分ほどですね。そろそろ裸足では足が冷たくなって
きているのでは?」
「棒みたいだ。歩くとギクシャクする」
僕は笑って、読みかけの本を本棚に戻した。僕と京介の家には
書庫がない代わりに(京介が絶対に「いやだ」と言い張った。
理由は僕が出てこなくなるから・・・らしい。当たっているけど)
その代わりに、家の至る所が本棚だ。階段の段差を利用したり、
廊下が一面、壁ではなく本棚だったり、と。
僕は、よく家のあちこちで立ち読みをしてしまい、そのまま
突っ立ったり、座っていることが、京介に言わせると多いそうで。
「ゆっくり歩きましょう。お手を拝借してもよろしいですか」
「なんで?平気だよ」
「ユウさんと腕を組んで歩くのが夢でしたので」
たった3mの廊下でなに言っているんだか、だろ。
更新日:2009-01-10 22:06:36