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「記-さけび-憶」 9
[大宮駅]
小川 京介が新幹線の窓越しに男を見ていた・・
男は京介に会釈をした・・
「やはり、親子だな・・そっくりだ・・」
男は京介を見てそう呟いた
新幹線が過ぎ去ったあと男は携帯電話を取り出した
「ピッピッピッピ・・」
「プルル・・」
『お疲れさん・・・』
電話の相手は直ぐに出た
『確認しました、メッセージは渡しました』
『そうか・・ついに始まるな』
『はい、最後の傀儡(くぐつ)ですね』
『あぁ・・哀川 京介の再来となるか否か分からないがな・・・』
『しかし、驚きました、やはり親子ですねとても似ていました』
『確かに・・だが、彼はまだただの少年だ、どこかで目覚めるのか・・・それともただの人間なのかだ』
『ただの人間だとしたら、これから彼に待ち受ける運命は過酷なものとなるでしょうね』
『・・・それが彼のカルマだ・・』
『・・・はい』
『お前はそのまま(株)MIOに行って紗江の様子を見てきてくれ』
『私で大丈夫でしょうか』
『紗江はきっと何かを感じているはずだ、小川京介が動き出してから彼女の脳波の反応に動きが見える』
『分かりました』
「ピッ」
男は電話を切った
男はコードネーム「Ⅹ」と呼ばれていた
・
・
・
[東京駅]
小川 京介は新幹線を降りた、右手には大きな鞄、左手には先程の男が置いて行ったメモ用紙が握られていた
「ここが・・母さんの・・」
言葉が急にでなくなった・・そして涙が溢れ出てきた・・・
母さんは母さんが一番輝いていた場所・・・そして、悪夢の始まりの場所・・・
期待に夢を膨らませ上京したに違いないだろう・・・そんな母さんの夢を無残にも踏み潰した場所でもある・・
「母さん・・着いたよ・・」そう心の中で言った
京介はメモ用紙を見てポケットの中に無造作に詰め込んだ
『株式会社MIOか・・・今はその会社もないだろ・・どうやって探せって言うんだ・・取りあえずこの荷物を持って歩くのは面倒だな』
京介は駅の近くにあるホテルにチェックインする事にした
・
・
[都内某所 ホテル]
チェックインを済ませた、俺の泊まる部屋は10階の部屋だった
荷物をベットに放り投げ、外の景色を眺めた・・・
「この景色をいろんな思いを持ちながら見ている人間がいるんだろうな・・・」
山形とは違い、コンクリートのビルが立ち並ぶ景色だった・・・
ここに何万人という人間が住んでいる・・・そしてあの事件を知るものも多いのだろう・・・電波ジャックというあの悲劇を・・・
京介の目に映る東京の景色は決して良いものではなかった
「何だ・・・」
京介は外の景色に何かを感じた・・・
誰かに、見られているような感覚だった、その感覚を頼りにその方向を眺めた
すると、いきなり頭の中に物凄い衝撃を感じた
『うわっ・・・頭が割れそうだ・・・』
窓越しに膝を着き、もたれ込んだ
目の前の景色がぐんにゃりと歪み始めた
『な・・何なんだ・・・この感覚は・・・』
まるで、取り込まれるような・・何かに覆いつかれるような感覚
京介は歯を食いしばり、何だか分からない感覚に立ち向かった
『うぉぉぉぉ---!』
窓の淵を掴み立ち上がった
すると、頭の中の変な感覚が消えた・・
そして、見えるはずもないビルの一角の風景が目に飛び込んできた・・
「女だ・・こっちを見ている・・アイツが俺をこんなにしたのか・・」
女はビルの屋上の金網越しにじっとこちらを見ているようであった
『誰なんだよ・・お前!』
そう叫ぶとその景色は消えた・・・
今までにこんな事を感じた事は一度もなかった・・・東京に来てから何かが変だ・・
「あの謎の男といい、あの女といい・・おかしなことばかり起きる・・」
京介は着替え、先程の感覚の方向を目指してみる事にした
「きっと何かがあるはずだ・・・」
・
・
・
小川京介は紗江が送る無意識による波長を読み取っていた・・
・
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小川 京介が新幹線の窓越しに男を見ていた・・
男は京介に会釈をした・・
「やはり、親子だな・・そっくりだ・・」
男は京介を見てそう呟いた
新幹線が過ぎ去ったあと男は携帯電話を取り出した
「ピッピッピッピ・・」
「プルル・・」
『お疲れさん・・・』
電話の相手は直ぐに出た
『確認しました、メッセージは渡しました』
『そうか・・ついに始まるな』
『はい、最後の傀儡(くぐつ)ですね』
『あぁ・・哀川 京介の再来となるか否か分からないがな・・・』
『しかし、驚きました、やはり親子ですねとても似ていました』
『確かに・・だが、彼はまだただの少年だ、どこかで目覚めるのか・・・それともただの人間なのかだ』
『ただの人間だとしたら、これから彼に待ち受ける運命は過酷なものとなるでしょうね』
『・・・それが彼のカルマだ・・』
『・・・はい』
『お前はそのまま(株)MIOに行って紗江の様子を見てきてくれ』
『私で大丈夫でしょうか』
『紗江はきっと何かを感じているはずだ、小川京介が動き出してから彼女の脳波の反応に動きが見える』
『分かりました』
「ピッ」
男は電話を切った
男はコードネーム「Ⅹ」と呼ばれていた
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[東京駅]
小川 京介は新幹線を降りた、右手には大きな鞄、左手には先程の男が置いて行ったメモ用紙が握られていた
「ここが・・母さんの・・」
言葉が急にでなくなった・・そして涙が溢れ出てきた・・・
母さんは母さんが一番輝いていた場所・・・そして、悪夢の始まりの場所・・・
期待に夢を膨らませ上京したに違いないだろう・・・そんな母さんの夢を無残にも踏み潰した場所でもある・・
「母さん・・着いたよ・・」そう心の中で言った
京介はメモ用紙を見てポケットの中に無造作に詰め込んだ
『株式会社MIOか・・・今はその会社もないだろ・・どうやって探せって言うんだ・・取りあえずこの荷物を持って歩くのは面倒だな』
京介は駅の近くにあるホテルにチェックインする事にした
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[都内某所 ホテル]
チェックインを済ませた、俺の泊まる部屋は10階の部屋だった
荷物をベットに放り投げ、外の景色を眺めた・・・
「この景色をいろんな思いを持ちながら見ている人間がいるんだろうな・・・」
山形とは違い、コンクリートのビルが立ち並ぶ景色だった・・・
ここに何万人という人間が住んでいる・・・そしてあの事件を知るものも多いのだろう・・・電波ジャックというあの悲劇を・・・
京介の目に映る東京の景色は決して良いものではなかった
「何だ・・・」
京介は外の景色に何かを感じた・・・
誰かに、見られているような感覚だった、その感覚を頼りにその方向を眺めた
すると、いきなり頭の中に物凄い衝撃を感じた
『うわっ・・・頭が割れそうだ・・・』
窓越しに膝を着き、もたれ込んだ
目の前の景色がぐんにゃりと歪み始めた
『な・・何なんだ・・・この感覚は・・・』
まるで、取り込まれるような・・何かに覆いつかれるような感覚
京介は歯を食いしばり、何だか分からない感覚に立ち向かった
『うぉぉぉぉ---!』
窓の淵を掴み立ち上がった
すると、頭の中の変な感覚が消えた・・
そして、見えるはずもないビルの一角の風景が目に飛び込んできた・・
「女だ・・こっちを見ている・・アイツが俺をこんなにしたのか・・」
女はビルの屋上の金網越しにじっとこちらを見ているようであった
『誰なんだよ・・お前!』
そう叫ぶとその景色は消えた・・・
今までにこんな事を感じた事は一度もなかった・・・東京に来てから何かが変だ・・
「あの謎の男といい、あの女といい・・おかしなことばかり起きる・・」
京介は着替え、先程の感覚の方向を目指してみる事にした
「きっと何かがあるはずだ・・・」
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小川京介は紗江が送る無意識による波長を読み取っていた・・
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更新日:2011-11-17 10:37:21