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小説

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■第二章 乱世の狼煙

挿絵 512*384

-1-

 郭嘉が暗黒玉璽を発見し、姜維が闘いを繰り広げた十数日後―――。
ここは三璃紗の南方に位置する荊州の地。
機駕国の中心地であり、この地に強固な石の壁で囲まれた機駕国の城郭都市があった。

「どうどう~!」
 この数日ほとんど休むことなく一心に祖国を目指した姜維と絶影は、ついに機駕国に辿り着いた。
「相手はあの司馬懿。正面から入るわけにはいかないか・・・。」
 頭の切れる司馬懿のこと、機駕国内部でどれだけ手を回しているかは未知数。姜維は通常の入り口ではなく、曹操に仕える者の中でも極一部にしか知らされていない裏口から進入し、誰の目にも触れることなく城へと向かった。

 厩舎に着くとここまで走り続けた絶影の背を優しくなで労い、餌の牧草を盛った。
「絶影ありがとう。お前が居なければ俺は帰り着くことすら出来なかったかもしれない。さすがは曹操様の愛馬だな。」
 一息ついた姜維は辺りを見回してみたが、特に変わった様子はなく、穏やかな機駕のままであった。どうやら郭嘉よりも先に帰りついたようだと、姜維は少し安堵した。
「・・・くっ!」
解かれた緊張からか、郭嘉との闘いで受けた身体の傷が疼きだした。
姜維は仮面の割れた部分を晒さぬように布を頭から被り、まだ癒しきれていない身体に鞭打ち、当主曹操の許へと走り出した。

更新日:2012-02-26 10:49:29