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No,1 「俺が俺として生まれた日」

ここは、幻想郷。
詳しい事は知らない。

今日もまた、賑やかだった。
祭りみたいだ。



「おーいにとりー。今度霊夢んトコで宴会やるから、酒とか持ってこいってさー。来るんだぜー。」

「オーケーオーケー。旨い酒とキュウリを用意しておくよ。」

「わかったぜ。んで、にとり。」

「なんだい?」

「こいつはだれだぜ?」



「那鷺ー。今週の課題見せてくれ。」

「やだよ、自分でやれ。」

那鷺、あぁ俺のことだ。

小柄で髪は金の短髪。
勉強は駄目だがスポーツには自信がある。

一応名乗ろう。

紀祭 那鷺(きまつり なさぎ)、十七歳だ。

何やら俺は、不思議な能力を生まれつき持っている。

〔命無き物に生を与える〕事。

自分でもよくわからんが、例えば。

偽物を本物にする。

幻想を現実にする。

絵に描いたものを本物にする。等々。

そして、俺はこの時願ってしまった。

『もしも、この世界とは違う、他の世界があるのなら、俺をその世界に連れていってほしい』

お茶の間でも笑えない、冗談の様に聞こえる様な事だが、信じられない事に、叶ってしまったのだ。

更新日:2011-08-28 15:35:12

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